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翻訳本

人に薦められて読み始めた本を読みきる事は、あまり無い。
もしあるとすればそれは、本人もまたそれを知っていて、
ある程度読みたいと思っている物だろう。

だが今回そうして薦められて読んだ本は、自分では大して読みたいと思ってはいなかった。内容もろくに知らなかった。
その理由は一にも二にも翻訳本であるという事、その一言に尽きる。

翻訳された本とは、結局その本当の作者が伝えたいと思った事を
他の人間の目というフィルター越しに見るに等しいと思えるからだ。
原文を読めれば良いのだが、中々そうもいかない。
だから今までにただの一冊も翻訳本を読んだ事は無かった。
もちろん学校の教科書に載ったものや、あるいは児童書などに載ったものは別だが。

しかし翻訳者もまた文学をこよなく愛する人間であるという事を、最近思うようになる。
きっと翻訳するとなればその作品を人一倍愛する人間なのだろう。実情は知らないが。
だから、それを信じる事にした。



夏への扉

アルジャーノンに花束を

読んだ本は、

夏への扉
アルジャーノンに花束を

この2冊だ。
前者は自分が読みたいと思っていた本。
後者は人に薦められた本だった。

双方ともに日本のそれと変わらず楽しむ事が出来た…いや、変わらずではないか。
それなりの、独特の楽しみ方が出来た。
向こう特有の間…ジョークなどを日本語に翻訳したその無理な感じを含めた楽しみ方だ。

しかし、アルジャーノンに花束を に関して言えば、
その内容が故にかえって翻訳された文章がマッチしているとも思えた。
自然な流れの日本語からわずかにずれた流れ、それが拙さと聡明さをより際立たせるような。
単純に、翻訳家の力によるものかもしれないが。
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